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相続税の配偶者控除

配偶者がお亡くなりになり、相続税を申告する場合、相続税の配偶者控除を受けることができます。
この相続税の配偶者控除は、戸籍上配偶者であることが認められる場合、誰でも適用することが可能です。
そして、控除が適用できれば、納税額を軽減することができるため、どのような場合に該当するのか理解しておくことが必要です。
ここでは、相続税の配偶者控除について、ご紹介します。

 

■相続税の配偶者控除とは
相続税の配偶者控除とは、被相続人の配偶者を対象に、相続税の金額を抑えることができる制度のことです。
相続の対象となる財産が、一定額を下回れば配偶者に相続税は発生しません。
この制度の目的は、配偶者は被相続人の財産形成に寄与していることを考慮し、残される配偶者の生活を保障することにあります。

 

■配偶者控除が適用されるケース
次に、相続税の配偶者控除の適用要件についてです。
この制度が適用されるには、大きく3つの要件を満たす必要があります。

 

・被相続人と法律上の婚姻関係にあること
先述したとおり、戸籍上の配偶者であることが認められる場合にしか、制度を利用することができません。
そのため、婚姻届が未提出である事実婚の場合、制度は適用されません。

 

・遺産分割協議が終わっていること
相続に際し、相続人間で遺産分割ついて協議し、遺産分割を確定することが必要です。
相続人の中で、話がまとまっておらず、遺産の取り分が確定していない場合、制度は適用されません。

 

・申告書を期限内に提出していること
配偶者控除の適用には、相続税の申告書の提出が求められます。
提出の期限については、相続の開始を認識した日から10ヶ月以内とされています。
この期限を過ぎてしまうと、適用されないケースがあるため、注意が必要です。

 

■控除額について
次に、相続税の配偶者控除の詳細について、説明します。
相続税の配偶者控除が適用されると、「1億6000万円」、「配偶者の法定相続分に該当する金額」、これらのうち、多い方の金額までであれば相続税は発生しません。
両者のケースについて、順にご説明します。

 

・1億6000万円
相続が発生し、遺産分割協議を経て、相続する財産の金額が確定します。
そして、その確定した相続分が1億6000万円を超えない額であれば、相続税は発生しません。

 

・配偶者の法定相続分に該当する金額
相続分が、1億6000万円を超える場合、法定相続分に該当する金額が課税の境界線になります。
法定相続分は、法定相続人の数によって決まります。
子と相続する場合、父母と相続する場合、兄弟と相続する場合など、ケースは様々であるため、計算方法を理解しておく必要があります。
例えば、相続する遺産の総額が5億円、配偶者の法定相続分が1/2の場合、2億5000万円まで相続税は発生しないこととなります。

 

以上が、相続税の配偶者控除についてのご説明となります。

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