創業時の資金について

資金もコネもなく、経営もしたこともないが、有り余るアイデアと情熱だけは持っており、いつかは起業したいと思っていても、実際に起業には踏み切れないのは創業後の資金不足であり、頭を悩ます問題です。
では実際、起業するにはどの程度の資金が必要なのか?
これは起業する内容が人それぞれなので一概には言えません。
しかし次のように、それぞれ必要な資金を考えることである程度は見えてくるものです。

起業に必要な資金の考え方


(1)創業資金

①資産の取得資金

店舗の改装費用や厨房・空調設備のための費用、机や書棚、パソコンなどの備品の購入費用なので数年間にわたって使用することで売上に貢献する資産を購入する費用
⇒ 税法上は、固定資産として毎年減価償却して費用化していきます。

②資産ではあるが費用化できない資産の取得資金

事務所の土地購入代金や、店舗を借りるための保証金(契約終了後に返金されるもの)など、売上には貢献するものの、費用とはならないものを購入する費用
⇒ 税法上は、資産として計上されます。

①消耗品や事務用品などの取得資金

創業時に1度に揃えなければならないが、その後は使った分だけ補充していくような資産(カフェなどでは食器やコーヒーカップなど)を購入する費用
⇒ 税法上は、購入時に費用として計上されます。

(2)営業資金

営業資金とは、「商品の仕入代金、家賃、給料、リース料、事務用品費、交通費など、日々の営業活動に必要な資金」を言います。
営業資金は、通常、事業が軌道に乗っていれば売上代金から支払うことが出来ますが、創業直後は十分な売上が見込めないこともあり、軌道に乗るまでの期間必要となる資金を用意する必要があります。
例えば、美容院などでは現金払い以外にもカード払いの場合もあります。その場合には、カード会社がお客様の口座から代金を回収して、事業者に入金されるまでには、通常1~2か月かかります。
つまり、売上金の回収はできるだけ早めに、逆に支払いはできるだけ遅くすることが出来れば資金に余裕ができます。軌道に乗るまでの期間の営業資金については多少余裕をもって見積もりましょう。

(3)赤字補填資金

創業当初から十分な利益が見込めるとは限らないのが現状です。ある調査では創業後3年目までには50%の事業者が、10年後には10%にも満たない事業者しか存続していないというのが現状です。
しかし売上はなくても、家賃やリース料といった固定費の支払は毎月発生します。そして通常、金融機関は赤字補填のためにお金は貸してくれません。返済されるメドがないからです。
そこで、創業赤字が続いても、いくらまでなら持ちこたえられるのか、あらかじめ計画に入れておくことが重要です。
創業計画を立てるときは、楽観的な予測とは別に悲観的な予測の2種類を想定し、追加投入できる資金を確保することが必要です。

(4)生活資金

当然のことながら、起業するということは会社を辞めることになります。今まで毎月貰っていた給料をこれからは自分で稼がなければなりません。
少なくとも自分や家族が生活できるだけの資金を1年分は用意しておくと、余裕をもって事業に専念することができます。
以上のことを念頭に、「どこまでを自己資金で補うのか?」「足りない分をどうやって用意するのか、知り合いから借りるのか?銀行から借りるのか?補助金をもらうのか?」を計画書としてまとめたものが創業計画書になります。